終章
「ライオーーーンキリーーーンゾーーーウ!!」
圭斗が雄叫びを上げた。「トラーーーコアラーーーサルーーーぅうう!!!」
「落ち着け、圭斗」
「ぜえっぜえっぜえ……」
「よし、じゃあこれな」
圭斗の分の入場券を手渡す。
猿山の前で、陵也が叫んだ。
「アキだ!」
「いーや、陵也だっ」
圭斗が那未をつつき、
「あそこの二匹に似てるよね」
「あ、ほんとだ。コザル〜v」
「かわいー」
圭斗がニコニコと彼女を見る。
「え、あたし? やだもう、圭斗ってばv」
「那未ほら、あれ絶対ボスだぞ!」
葵がぐいと彼女の肩を抱いた。
「……ヤキモチ?」
上目遣いに葵を見た那未は、うれしそうに彼に寄り添った。
「あーっ、あれなに、ねえ、葵!」
圭斗が広場を指差して叫んだ。
『腕相撲に勝って商品をもらおう!』
「やる?」
「俺はパス」
なにやら落ち込んでいる感じの克魅が手を振った。
「葵、あたしあのクマ欲しーい」
「よし、任せとけ」
葵はライオンの着ぐるみを着た男(?)と手を握り合い、――係員の合図。
「……っく、手強い!」
額に青筋を浮かせ、まったくもって真剣そのもの。しかし――ぱたっ。
「あああっ!?」
自分の負けが信じられない葵。
「なんて大人げのない……」
ぬいぐるみ男を睨みつける。
「次オレやるー!」
圭斗が挑む。
「やめとけって」
「むりむり。葵が負かされる相手だぜ」
秋人と陵也が口を挟む。
しかし圭斗は勝ってしまった。きゃーっと両手を挙げて喜ぶ圭斗、ぽりぽりと頭を掻くしぐさをするライオン。
「ひいきだ!」
納得のいかない葵。
「那未さん、はい、クマv」
「え、くれるの? ありがとー」
「どういたしましてv」
「ちょっと待てぇ! なんだ今のハートマークは!?」
怒鳴った葵に、圭斗は余裕の微笑みを向ける。
「ハートマークはラブ◇(キラ〜ン)のシルシだよ」
「そーよ葵、知らないの?」
「知ってるから言ってんだよ」
葵は低く唸った。
まさかな。ははは。まさかな……。
「オレ、腹減った……」
陵也が弱々しく言った。見ると両手で腹を押さえ、苦しげに喘いでいる。
「オーバーなんだよ」
秋人が相方の頭をはたく。葵は苦笑し、
「じゃあ、飯にしますか」
と、椎名を仰いだ。
「えー、ライオン(本物)は!?」
圭斗が涙目で抗議の声を上げる。
「飯食ってからライオンバスに乗ろうな」
さっきのは気のせいだったか、と安堵しながら、葵は圭斗の頭を撫でた。
「ゴハン食べ終わったらライオン……v」
圭斗はウットリと瞳を潤ませた。