生まれたての仔猫だよ?

 

 

プロローグ



五月。
何でも屋ハリィハックに新たに加わった十二歳の少年・山波圭斗。彼は彼を虐待する両親から逃げ出して、坂河葵と出逢った。
ハリィハックのメンバーは七人。
社長の椎名、副社長の克魅、坂河葵、長谷川那未、小林秋人、布槌稜也、山波圭斗である。



学校が終わり、圭斗は秋人、稜也の二人とハリィハックへの道を歩いていた。
「うわ・・・・・・やなもん見た」
稜也が気まずそうに言った。
道路の脇に、車に撥ねられたのであろう猫の死骸が横たわっていた。
「野良猫って、自然死の場合誰にも見られないとこ行って死ぬんだってさ」
「なにアキ、調べたのか?」
「こないだ椎名さんに付き合って図書館行ったとき、暇潰しに動物図鑑読み漁った。犬嫌いを直すにはどうすればいいか、とか」
「そりゃどおも。・・・・・・圭斗、それ、そんなに珍しいか」
「・・・・・・・・・」
稜也の問いには応えず、圭斗はただ立ち尽くしていた。
「・・・・・・。じゃああれは? 事故以外のヤツ。無傷の死体とかも結構見るけど」
「野良に餌やる人いるだろ。近所に住んでてそれを嫌がるヤツなんかが、盛るわけよ、毒を」
「ひでーな。――あれ、圭斗?」
ふと見ると、圭斗が先程の猫の前にしゃがみこんでいる。
「おい何やってんだよ」
秋人と稜也が駆け寄る。出来ることなら見たくないのだが。

「ミャー」

「!」
「生きてんのか?」
稜也にしがみつかれながら、秋人はそっと圭斗の前を覗き込む。
仔猫がいた。死んだ猫の顔を、必死に鳴きながら舐めている。
「子供がいたのか。・・・・・・・・・」
稜也が顔を顰めた。
「もう行くぞ。ここにいたってしょうがないだろ」
「いいのか、稜也・・・・・・」
「なにが」
「だっておまえ――」
「この子、大丈夫?」
圭斗が二人を見上げた。
「・・・・・・そんな目で見んなよ。わかった。じゃあ取りあえず連れて帰ろう」
秋人の言葉に、圭斗はほっとしたようにこくりと頷いた。

仔猫は「灰」と名付けられ、圭斗が飼い主となった。
そして灰は見つけたのだ。「卵」を。


 

 

NEXT

NOVEL TOP

TOP

 

 



 

9/3
黒兎様から頂いた200hitリク、アップ開始です。
書きあがってはいるので早いとこ全アップしたいと思います。

今回のは覚醒の一部分と被ってますが、必要と思ったのでこうなりました。
ご了承ください。
ちなみに今回から「布槌陵也」は「布槌稜也」になりました。
何年も悩んでましたよ。「陵」はお墓という意味なので。