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4.落下
何度目か、携帯電話が震えた。ズボンのポケットから落ちたそれは、ボタンをぶつけたのかどうか、通話状態になった。 『・・・・・・! ・・・・・・・・・!!』 圭斗は恐る恐る、それを拾い上げた。 『圭斗! 今どこにいるんだ! 無事なのか!?』 「・・・・・・・・・あお、い・・・・・・」 『圭斗・・・・・・? 泣いてんのか?』 「オレ・・・・・・もうだめだと思ってた。でも、このコがいれば、家に帰れる。小さい頃みたいに、また・・・・・・っ」 『・・・・・・圭斗』 「・・・・・・葵たちを、いらないって思ったんだ。だから・・・・・・」 さよなら、とつぶやいて、圭斗はケータイの電源を切った。 ゆっくりと立ち上がる。 男が一人、彼の前にいた。 いなくならないで。 けいとのことだいすきだよ。 だからずっと。そばにいてね。 ねえ、けいと。 ぼくの こえ きこえてる? 「ミャー」 「見つけた・・・・・・!」 ビルの非常階段で、圭斗は誰かと争っていた。 「木田、だな」 克魅が言った。葵が振り返る。 「あいつが? とにかく他の牙の奴らが来る前に圭斗捕まえねーと」 「ああ――」 再び走り出した葵の後を克魅が追う。 短い叫び声が上がった。 見上げた二人の目に映ったのは、バランスを崩して転げ落ちていく圭斗の姿だった。
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