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5.願い
「圭斗・・・・・・っ」 ピクリとも動かない体を抱き起こして、葵は圭斗の名を呼んだ。彼が最後まで離さなかった卵は潰れてしまっている。 「にゃー」 灰が圭斗の目元を舐めた。 「・・・・・・おまえ、ずっと一緒だったのか?」 葵が頭を撫でようとすると、逃げるように圭斗の腕の下に潜り込んだ。 息の無い圭斗から目を逸らすように、克魅は非常階段の上を見上げた。 木田の青い顔が、柵の上からこちらを見下ろしている。 「ニャーオ」 突然、卵だったものが暗い光を放った。 「な、なんだ?」 葵はとっさに圭斗の体を抱きしめた。 克魅が呆然とつぶやく。彼には憶えのある光だった。 「願いの、鳥――だと・・・・・・っ?」 光は、おぼろげに鳥の姿になった。 ―― ぼくは、願いの鳥・・・・・・主人の願いを叶える存在・・・・・・ 「・・・・・・おまえは、死んだんだろう。おまえの主人も」 克魅が静かに言った。 ―― ぼくは死んだ・・・・・・だけどぼくの主人は生きている・・・・・・。つよい、願い・・・・・・ 「! ・・・・・・おまえに、願いを叶える“力”は残っていないはずだ」 ―― そう。でも、手伝ってくれる・・・・・・今生きている願いの鳥――すぐそばにいるから・・・・・・ 「・・・・・・・・・」 ―― ぼくは、願いを叶える・・・・・・ 強くなった光が、辺りを包み込む。 圭斗と、ずっと一緒にいること。 それがぼくの、主人の願い――
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